連載 研修おたく海を渡る・49
メンターはいますか?
白井 敬祐
pp.147
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104286
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初めてメンターという言葉に出合ったのは,横須賀米軍病院でした.インターンになってすぐに,指導医の一人がメンターとして割り当てられました.このときのメンターというのは,キャリア育成のためのメンターというよりは,慣れない研修生活中の相談役でした.面談で「調子はどう?」と聞かれても,なんだか照れくさくて,いつも“Good”とだけ答えていました.そのうち,彼がどんな研修医だったのか,どうやって専門を決めたのかといった話ができるようになりました.ある指導医はことあるごとに,「おれは,自分が全力で駆けてきた道を,おまえが8割の力で駆け抜けられるように,tips(コツ)を含めて,guide(指導)し,support(援助)する.そのかわり,残りの2割を,自分ができなかった新しいことに使って欲しい」と言っていたのを覚えています.
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