特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
腎臓
秋田 大宇
1
,
陣崎 雅弘
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.324-332
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104197
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正常解剖(図1,2)
腎臓は後腹膜に位置する代表的臓器の1つである.後腹膜のなかで脂肪組織に包まれており,それを腎周囲腔と呼ぶ.腎周囲腔の前後には前傍腎腔と後傍腎腔があり,それぞれGerota筋膜前葉とGerota筋膜後葉により腎周囲腔と境されている.
腎臓は通常左右1個ずつ存在し,右腎は左腎より尾側に位置する.しかし,片腎の先天性欠損や馬蹄腎(左右の腎臓が腹部大動脈,下大静脈の前方で癒合,図3)などの正常変異もある.また,骨盤腎や胸腔内腎など位置の変異を認める場合もある.さらに腎動静脈が流入,流出する腎門は通常前方内側を向いているが,回転異常によりさまざまな方向を向くことがある.特に腹側を向くことが多い.
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