今月の主題 一般内科診療における呼吸器薬の使い方
知っておきたいステロイド薬の使い方
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)におけるステロイド療法
金城 紀与史
1
1沖縄県立中部病院総合内科
pp.1655-1659
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104095
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ポイント
●ARDSに対するステロイド治療については早くから数々の研究で検討されてきたが,早期のARDSに対する短期ステロイド・パルス療法は有効ではない.
●7日目でも改善しないARDS患者でのステロイド治療は酸素化・人工呼吸器離脱などは改善するが長期的予後の改善は不明確である.
●早期ARDSに対するステロイド長期間投与については有効性を示す研究が1つあるが,追試が必要であろう.
●ステロイドの最適な投与タイミング・投与量・投与期間・テーパーの方法などコンセンサスはない.
●ARDSの予後はここ10年で改善してきており,以前の研究と最近のものを単純比較することは難しい.原疾患の治療とともに,人工呼吸器管理などの支持療法の向上が予後改善につながる.
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