今月の主題 一般内科診療に役立つ消化器内視鏡ガイド―コンサルテーションのポイントから最新知識まで
扉
緒方 晴彦
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1慶應義塾大学医学部内視鏡センター
pp.1023
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103956
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「日本の医者は欧米の医者に比べて内視鏡が上手である」という話をよく聞く.間違ってはいないと思う.手先が器用だということもあるかもしれないが,要は好きなのではないかと感じる.まさに「好きこそ物の上手なれ」である.消化器病が専門で内視鏡の経験のない医師は皆無であろうし,学会でも内視鏡の手技に関するセッションは常に大盛況である.加えて,近年の内視鏡機器を中心としたテクノロジーの進歩はめざましく,画質の鮮明さや操作性の向上ばかりでなく,いわゆる内視鏡スペシャリストといわれる医師たちのたゆまぬ努力と工夫で次々と新しい技術が開発されている.
昨今の悪性腫瘍の治療は「低侵襲」がキーワードとなっており,かつては外科的治療の適応であった食道・胃・大腸早期癌の多くは内視鏡的治療がスタンダードとなりつつある.またバリエーションに富んだ処置具の改良は困難を極めていた多くの膵・胆道疾患への内視鏡的アプローチを可能にした.さらには21世紀に登場したカプセル内視鏡とバルーン内視鏡により,これまで内視鏡が届かずに光の当たらない「暗黒の臓器」と呼ばれていた小腸の疾患に対して,診断,治療の両面において大きな変革がもたらされた.
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