特集 目でみる診療基本手技
救急手技
二次救命処置
心肺蘇生時に必要な手技と知識―気道確保
堀川 由夫
1
1西神戸医療センター麻酔科
pp.282-292
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103714
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気道の構造と気道確保
気道とは,口腔・鼻腔に始まり,喉咽頭を経て気管に至る経路のことで,口元から吸い込んだ空気を血液とのガス交換の目的で肺胞まで導く経路である(図1).口腔・鼻腔は肺への空気の摂取口としての役目を果たすとともに,加湿や異物の侵入に対しての防御壁としての役割も果たしている.この特性が口腔・鼻腔の死腔容量の大きさと気道閉塞の招きやすさの原因となっている.口腔内では舌が大きな容量を占めており,喉頭では喉頭蓋が嚥下に際して気管への誤飲を防いでいる.これらの構造より,気道は常に閉塞しやすい構造となっており,解剖学的な知識から気道を開通する方法を知ることが大切である(図2).
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