特集 目でみる診療基本手技
診療手技
穿刺および生検法
皮膚生検法
柿沼 誉
1
1東京大学医学部附属病院皮膚科
pp.139-143
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103692
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ポイント
(1)まず視診および触診により,病変の主体が皮膚のどのレベル(表皮,真皮,皮下脂肪,筋膜)にあるかを前もって考えることが必要である.これにより,採取する組織がどの深さまで必要であるかを事前に把握することが,診断を確定するうえで重要である.
(2)一般に健常部と病変部の両方を含むような採取法が望ましい.これにより病変部の病理組織学的特徴がより明確になる.
(3) 生検により得られる情報は,ホルマリン固定の後パラフィン封埋された組織(通常の病理検査)だけでは十分でないこともある.この場合は採取した切片を半割し,凍結保存することも必要である.凍結保存した組織を用いて,後に蛍光抗体直接法(自己免疫性疾患の診断において重要な検査法である),皮膚悪性リンパ腫の遺伝子再構成などの検査が可能となる.
(4)皮膚病変が多彩な例では,1カ所のみならず複数箇所から生検を行うことが望ましい.
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