今月の主題 消化器薬の使い方Update
消化器薬物治療の新展開
機能性消化管障害に対する運動調律薬の開発
松枝 啓
1
1独立行政法人国立病院機構さいがた病院消化器科
pp.1735-1738
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102940
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ポイント
●胃の適応性弛緩障害(accommodation disorder):機能性ディスペプシアの重要な病態生理の一つで,食後に胃底部が弛緩しないため早期飽満感や胃部の膨満感を発生させる原因と考えられている.
●十二指腸ブレーキ(duodenal brake):食物の十二指腸への急激な排出を抑制するフィードバック現象で,その結果として胃排出遅延を発生させる.
●食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome:PDS):機能性ディスペプシアの病型の一つで,食後に発生する腹部膨満感や膨張感を主症状とする.
●5-HT3受容体拮抗薬および5-HT4受容体刺激薬:5-HT3受容体拮抗薬は大腸運動を抑制し,5-HT4受容体刺激薬は大腸運動を亢進させる作用を有している.前者は過敏性腸症候群(IBS)の下痢型に,後者は便秘型に有効である.
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