今月の主題 日常診療・当直のための酸塩基平衡,水・電解質,輸液
よく使う利尿薬について習熟する
はじめに―利尿薬の基本
藤田 芳郎
1
1藤田保健衛生大学医学部腎臓内科
pp.528-529
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102648
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「利尿薬」,特にフロセミドとサイアザイドは,医師が最も使用する薬剤のなかの一つである.これらの薬剤について「尿量を多くする」という程度の理解しか以前の自分にはなかった.現在の研修医の皆さんはどうかと思い機会があれば,以下の質問をしてみると,以前の自分の理解と大差のない方が多い.その質問とは,『「利尿薬(ここでは炭酸脱水酵素阻害薬,フロセミド,サイアザイド,およびスピノロラクトンに限定する)」と「抗利尿ホルモン」という用語のなかの「尿」の内容の違いは何か?』である.
利尿薬の尿はNaを意味し,「利Na薬」→「Naを排泄させる薬」である.ところが,抗利尿ホルモンの尿は水を意味し,「抗利水ホルモン」→「水を排泄させないホルモン」→「水吸収(促進)ホルモン」を意味する.
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