今月の主題 臓器感染と抗菌薬のえらび方
消化器系感染と抗菌薬のえらび方
H. pylori除菌法と耐性菌への対応
杉山 敏郎
1
,
加藤 元嗣
2
,
浅香 正博
1
1北海道大学大学院医学研究科消化器病態内科学
2北海道大学大学院医学部附属病院光学医療診療部
pp.258-261
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102516
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ポイント
・H. pylori感染診断と治療が保険認可されている疾患は,胃潰瘍と十二指腸潰瘍である.
・認可されている除菌治療はPPI+CAM+AMPCの1週間投与で,除菌率は80~85%である.
・除菌失敗の最大要因はCAM耐性である.
・服薬コンプライアンスも除菌の成否には重要である.
・CAM耐性H. pyloriは増加傾向にある.
・CAM耐性菌をPPI+CAM+AMPC治療で再除菌しても,除菌率は50%以下である.
・初回除菌失敗症例のPPI+MNZ+AMPC3剤治療による除菌率は,約80%である.
・PPI+CAM+AMPC除菌治療で失敗した場合,除菌失敗要因を考慮し,薬剤感受性試験を実施した後,再除 菌法を選択する.
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