今月の主題 高血圧の臨床―焦点の合った個別診療へ向けて
日本人の高血圧診療に必要な基礎知識
【降圧療法のエビデンスと今後の展望】
認知機能への効果
松本 昌泰
1
1広島大学大学院病態探究医科学脳神経内科
pp.23-25
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101956
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ポイント
●降圧治療による脳血管障害の発症予防効果は成壮年者軽・中等症高血圧,高齢者高血圧患者での臨床試験により証明されており,脳血管性認知症(VaD)発症抑制にもつながる.
●臨床疫学的研究によりVaDのみならずAlzheimer型認知症(AD)についても高血圧の関与が示唆されている.
●Ca拮抗薬やACE阻害薬,ARBなどの降圧薬を用いた臨床試験により,VaDのみならず,ADの発症抑制効果も期待できる可能性が示されている.
●高齢者の降圧療法に際しては,認知機能障害の有無,程度を定期的に評価することが欠かせない.
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