特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液検査
血球検査
白血球/白血球分類
浅野 博
1
,
松尾 収二
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.76-78
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101730
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
白血球は好中球,好酸球,好塩基球,単球,リンパ球からなる.これらは感染防御,免疫応答などの中心的役割を担っており,その数量的,形態的,機能的異常はさまざまな病態と関係する.特に感染,組織破壊,腫瘍などの際は,炎症反応を引き起こすため,そのマーカーとして重要になる.また,白血病など血液・造血器疾患においては,白血球そのものの量的,質的異常が問題となる.さらに薬剤などの副反応として白血球数の変動がみられることがある.
白血球産生の場は主として骨髄であり,産生はG-CSFなどのサイトカインにより影響を受ける.内因性または外因性にG-CSFが増加している場合,白血球数は増加する.また,体内での分布は,末梢血中を循環するもの,血管壁に付着しているもの,組織へ遊走しているものがあり,病態に応じてこれらの分布が変動する.このため血液検査における白血球数が必ずしも全身の白血球数を正しく反映しない場合があり,データ判読時は注意が必要である.
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