特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
DPC時代に向けた臨床検査
DPC時代の臨床検査
池田 俊也
1
,
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.8-12
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101712
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診療報酬制度と包括払い
わが国の保険診療における病院や医師への支払い額は,公定価格が設定されており,病院や医師ごとに独自に設定することはできない.診療行為の公定価格は「診療報酬」,薬剤の公定価格は「薬価基準」と呼ばれ,検査を実施したり薬剤を使用した場合には,原則として実施した分の公定価格を積み上げた報酬が病院や医師に支払われる仕組みとなっていた.このようなこれまでの「出来高払い」による支払いの場合には,過剰な検査・投薬や濃厚診療が生じる可能性があり,医療費の高騰につながるのではないかとの懸念が指摘されていた.
そこで,医療制度改革の重要な柱の1つとして,診療報酬の「包括払い」への移行が進められている.包括払いとは,検査や投薬をたくさん実施したとしても一定額しか報酬が支払われない方式であり,「月定額」「1日定額」「一入院定額」など,料金設定の単位はさまざまな方法が考えられる.例えば米国の高齢者・障害者保険(メディケア)では,急性期入院医療に対しては診断群ごとの一入院定額支払い(DRG/PPS)が導入されている.
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