特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
消化器疾患
膵癌
伊藤 壽記
1
,
李 千萬
2
,
北川 透
2
1大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座
2大阪大学大学院医学系研究科外科学講座
pp.221-224
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101516
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膵臓は膵液を産生する腺房,アミラーゼなどの消化酵素を含んだ膵液を運ぶ膵管およびインスリンなどのホルモンを分泌する内分泌腺などからなるが,膵癌の約90%は膵管から発生する膵管癌であり,通常「膵癌」といえば膵管癌を指し,膵内分泌腫瘍,膵管内乳頭粘液性腫瘍などの稀な腫瘍とは区別される.一般に通常型膵癌(浸潤性膵管癌)の症状は背部痛や食思不振などの不定愁訴が多く,特異的な症状やスクリーニングに使用できるマーカーに乏しいため,診断が困難である.多くは来院時にすでに進行しており,わずか3割弱の症例にのみ外科的切除が適応となる.しかし,たとえ手術が行われた場合でも術後早期に再発することが多く,最も予後が不良な難治癌の1つである.
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