聖路加国際病院内科グランドカンファレンス(6)
頭痛,嘔吐,意識レベルの変容を主訴とした67歳女性
古川 恵一
2
,
小林 美和子
1
,
出雲 博子
3
,
氣比 恵
1
,
銭 鴻武
1
,
真下 陽子
1
,
綾部 悦里好
1
,
藤澤 聡郎
1
,
元木 葉子
1
,
田口 智博
1
,
小野 宏
1
,
飛田 拓哉
1
,
岡田 定
4
,
橋本 明美
5
,
蝶名林 直彦
6
,
岡安 裕之
7
,
二ツ山 みゆき
8
,
小林 信雄
9
1聖路加国際病院内科
2聖路加国際病院(感染症)
3聖路加国際病院(内分泌)
4聖路加国際病院(血液)
5聖路加国際病院(消化器)
6聖路加国際病院(呼吸器)
7聖路加国際病院(神経)
8聖路加国際病院(腎臓)
9聖路加国際病院(放射線)
pp.1400-1410
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101061
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古川(司会) それでは本日のグランドカンファレンスを始めます.小林先生,プレゼンテーションをお願いします.
症例呈示
小林(担当医) 患者は67歳女性,独身で一人暮らし, 無職です.主訴は頭痛,嘔吐,意識レベルの変容です.
現病歴ですが,数日前には元気に買い物に出かけていたとのことですが,9月15日に家族が訪問したところ,不穏状態で床に倒れているのを発見されました.頭痛・腹痛を訴え嘔吐しており,救急車にてF病院へ搬送されました.F病院受診時の血液検査は,WBC22,000/μl,Hb16.4 g/dl,AST165IU/l,ALT75IU/l,BUN24.9 mg/dl,Cre1.7 mg/dl,CK5,828IU/l,CRP25.5 mg/dlと脱水,炎症反応とCKの上昇がみられました.不穏の精査目的で頭部CTを撮影したところ,下垂体部に直径約2cm大の高濃度の陰影を認め,下垂体腺腫が疑われました.
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