今月の主題 臨床医のための呼吸調節と障害
呼吸不全における呼吸調節
在宅酸素療法と呼吸調節―在宅酸素療法による身体効果と呼吸調節への影響
宮本 顕二
1
1北海道大学医学部保健学科臨床理学療法学講座
pp.1133-1135
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100874
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在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)は1984年にその適応基準が発表され,その翌年に社会保険への適用が認められ,その後急速に普及した.現在は約10万人のHOT施行患者がいると推定され,HOTはわが国で最も成功した在宅医療の一つである.本稿では在宅酸素療法(長期酸素吸入)による身体効果と呼吸調節への作用を解説する.
長期酸素投与の身体効果
1. 運動耐容能の向上
長期酸素吸入は慢性呼吸不全患者の歩行距離を延長させ,トレッドミルや自転車エルゴメータの運動持続時間を延長させる(図1).その機序について,下記の報告などがある.
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