演習・小児外来
〔Case3〕左側腹部から鼠径部にかけての水疱群と発熱がみられた6歳男児
髙山 直秀
1
1東京都立駒込病院小児科
pp.1061-1063
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100857
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症 例:6歳男児.
主 訴:左側腹部から鼠径部にかけての水疱群と発熱.
家族歴:父はアレルギー性鼻炎,妹は魚介類にアレルギー反応あり.
既往歴:生後4カ月頃より1歳まで,アトピー性皮膚炎のため近医で外用薬と抗アレルギー薬の投与を受けていたが,それ以後は外用薬のみで経過をみている.1歳8カ月で水痘ワクチン接種(ロット:BVZ0034)を受けた.3歳7カ月のとき保育園で水痘が流行したが,発症しなかった.
現病歴:5月1日より左側腹部から鼠径部にかけて小水疱ができた.翌日は水疱の数が増し,38℃台の発熱があったため,近くの皮膚科医院を受診し外用薬を処方された.5月3日には体温が39℃となり,右背部と顔面にも発疹が数個出現したため,近医から当院に紹介されて入院した.なお,入院翌日にペニスの右側に水疱が出現した.
現 症:左腸骨部から左鼠径部,外陰部にかけて帯状に発赤と痂皮化し始めた小水疱がみられ,一部にびらんもみられた(図1).右背部(図2),左右頬部にも痂皮形成が始まった小水疱が数個みられた.
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