演習・小児外来
〔Case9〕発熱,縦隔腫瘤を認めた8歳男児
康 勝好
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.1944-1947
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101180
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症 例:8歳男児.
主 訴:発熱,咳嗽.
家族歴・既往歴:特になし.
現病歴:12月7日頃より,咳嗽,鼻汁,発熱が出現し,近医を受診した.上気道炎の診断にて抗生物質,鎮咳薬を処方され経過をみていたが,軽快傾向なく12月14日,近医を再診した.胸部X線にて縦隔腫瘤を認めたため,同日,当科外来を紹介受診した.
現 症:38℃台の発熱を認め,全身倦怠感があった.湿性咳嗽を認めるが,呼吸困難はなく,経皮酸素飽和度も99%であった.眼瞼結膜は軽度貧血様で,両側頸部リンパ節腫脹を認めた.顔面浮腫はなかった.胸部は聴診上,心音純,肺音清で,理学所見に異常は認められなかった.腹部はやや膨隆しており,肝を6cm,脾を4cm触知した.体幹,両下肢に小出血斑が散在していた.
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