今月の主題 高血圧診療のエビデンスと個別的治療―主治医の役割とジレンマ
Controversy
大多数の高血圧患者に食塩7g以下を指導すべきか?
肯定的立場から
河野 雄平
1
1国立循環器病センター高血圧腎臓内科
pp.106-107
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100678
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食塩制限は,高血圧治療における生活習慣改善の1つとして広く推奨されている.その目安は,欧米のガイドラインでは1日6g未満と厳しく,日本では7g以下とやや緩い1).ここでは,高血圧治療における食塩制限の必要性を肯定的立場から論じていきたい.
食塩は高血圧に強く関連する
食塩摂取は高血圧に密接に関係しており,多くの疫学研究において食塩摂取量と血圧値や高血圧との間に正相関が示されている2).食塩摂取がきわめて少ない地域では,高血圧はほとんどない.食塩摂取により血圧が上昇することは明らかであり,血圧の食塩感受性は高血圧者が正常血圧者より大きい.
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