最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 終末期の意思決定を支えるには それぞれの立場から
医師の立場から 終末期における臨床倫理の有用性
新田 國夫
1
1日本臨床倫理学会
キーワード:
意思決定
,
家族
,
腫瘍
,
ターミナルケア
,
蘇生措置決定
,
在宅医療
,
臨床倫理
Keyword:
Decision Making
,
Family
,
Neoplasms
,
Terminal Care
,
Resuscitation Orders
,
Ethics, Clinical
pp.1348-1352
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056522
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20年前はおそらく「延命治療」という概念が明確になく,純粋に治療であった.状況は少しずつ変化していき,「単なる延命はやめよう」,「尊厳をもって人生を終える」ということに共感を示す人々が増えてきた.これからどうなるだろうか.現時点でも延命治療を差し控えたり中止したりすることに,非常に厳しい前提を設けていると思われる.非悪性疾患患者でも悪性疾患患者でも,間違いなく回復の見込みがなく死期が迫っていることを大勢の関係者が納得しない限り,すんなりとは尊厳死はできない.「疑わしきは生命の利益に」は大変よい原則であるが,日本ではきっと最後の最後まで疑い続けるのではないだろうか.
©Nankodo Co., Ltd., 2013