危険がいっぱい―ケーススタディ・医療事故と研修医教育 第3回
金曜日の夜の酔客
田中 まゆみ
1
1聖路加国際病院内科
pp.522-525
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100081
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今回の症例は,金曜日の夜に病院の救急入口にうずくまっているところを発見され,病院に運び込まれた,52歳の男性である.
アリス(司会役) では今日の症例を始めます.エディ先生,お願いします.
エディ(症例提示役) 患者は既往歴不明の52歳男性,主訴は意識障害です.警備員が,救急入口にうずくまっているのに気付きました.その前に,酔っ払いのような声を聞いたそうですが,金曜日の夜でもあり,特に気に留めなかったとのことです.自力では立てず,仕方なく,皆でベッドに運びました.バイタルは,GCS(Glasgow Coma Scale)10,脈拍102,呼吸数18,血圧114/66,酸素飽和度98%と安定していたので,ポケットにあった銀行のキャッシュカードの名前でカルテを作り,バイタルと基本的血液検査だけして生食点滴で様子を観察していました.以下,救急のカルテの記述をもとに述べます.僕はその場にいなかったので.
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