調査報告
路上生活者結核治療の現状—西新宿保健センター管内の実態から
早川 和男
1,2
,
都筑 和子
3
,
河野 弘子
4
,
渡邉 紀明
4
1前新宿区保健所西新宿保健センター
2現千代田保健所
3東京都多摩立川保健所
4新宿区保健所
pp.634-638
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902984
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平成11年6月,公衆衛生審議会から厚生大臣に21世紀に向けての結核対策に関する意見書が提出された1).そのなかで今後の結核対策の方向として,路上生活者(意見書では住所不定者と表現)の結核対策が盛り込まれ,今後DOTS(direct-Iy observed treatment,short-course)を含めた結核対策が実施に向けて検討される予定である.路上生活者の結核対策を検討するにあたってはその治療の実態を理解することが不可欠である.現在,いろいろな方面からの研究がなされ2)情報が蓄積されつつあるが,その実態はまだ十分には把握されていない.
今回われわれは,路上生活者の結核対策を考えるうえでの基礎資料とするため,新宿区保健所西新宿保健センター管内における路上生活者の治療成績の評価を行うとともに入院中および退院後(外来通院中)の治療がどのように終結するか(以下,治療経過と表現)についての検討を行ったので報告する.
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