調査報告
職業を有する主婦とその子供の健康状態と栄養摂取状況
山田 重行
1
,
西原 信彦
2
,
桜井 信夫
1
,
近藤 今子
3
,
夏目 典子
3
YAMADA・Shigeyuki
1
,
NISHIHARA・Nobuhiko
2
,
SAKURAI・Nobuo
1
,
KONDO・Imako
3
,
NATSUME・Noriko
3
1浜松医科大学衛生学教室
2浜松市保健所
3静岡県藤枝保健所
pp.130-135
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902901
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昭和50年代以降の急速な技術革新や,国民ニーズの多様化による高度な技術集約産業や情報関連産業,あるいはサービス関連産業の発展に伴い,こうした産業を中心に広範な職業分野での婦人労働者の著しい増加が認められる.特に近年,パートタイム労働者が家庭主婦層を中心に増加しており,総務庁統計局「労働力調査」でみると女子短時間雇用者は昭和61年には352万人で,女子雇用者全体の22.7%に達している1).
主婦がパートタイマーなどとして働きに出るならば,その労働時間帯は,多くの場合家事等の時間帯と重なるため,それらに費やす時間は減少し,それは炊事時間の短縮など,家事労働の密度の低下として現れてくることが予想される.貧血の母親には貧血の子供が多いという指摘がなされているが2),自立前の子供は母親の作ったものを食べて生活するため,母親,すなわち主婦の食生活に対する姿勢が食事の質を左右し,それが子供の健康に反映されることは十分予想される.
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