発言あり
日中交流—一期一会,他
江部 高廣
1
1大阪府保健福祉
pp.73-75
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902883
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大阪府と上海市との友好交流は,昭和55年11月にスタートした.医学分野の交流は相互に医学医術の交流を図り,双方の医療事情を理解することを目的として,大阪府は中国の東洋医学,特に鍼灸医学を学び,上海市は日本の西洋医学を学ぶことにより,多くの成果を上げてきた.交流事業が5年目をむかえた昭和59年11月に,中国側の医療事情を見聞し,今後の医学交流について一歩踏み込んで検討をすすめる段階に達していると判断し,初回の訪中となった.初回訪問とあって極度に緊張して上海の虹橋空港に着いた.上海市の医学交流担当の責任者と小生が出迎えの車に乗り込んだ途端,いきなり耳もとに流暢な日本語が飛び込んできた.「最初に申し上げておきますが,私は○○組の上海支部長を兼ねております.どうかよろしくお願いします.」一瞬,棍棒で殴られたごとく目が眩んでしまった.
「組」組織の名を聞かされて,白い粉が目に浮かび,運び屋にさせられるのかと茫然となった.小生がひと言も話せないのを見てとり,彼は「冗談ですよ.ハッハッハッ」と笑った.
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