特集 国立保健医療科学院への期待・提言
国として国立保健医療科学院(仮称)に期待すること
佐栁 進
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学課
pp.176-179
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902690
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2002年4月1日,国立公衆衛生院は国立医療・病院管理研究所などと統合再編し,埼玉県和光市を新キャンパスに施設設備も新調し,国立保健医療科学院(仮称)(以下,科学院)として新たなスタートを切る.1938年にロックフェラー財団の寄贈によって設立されて以来,60年余になるが,この間に3万人を超える種々の公衆衛生従事者の養成などを通じて,まさしくわが国の公衆衛生活動の根幹を担ってきた.その成果は,わが国が今や世界一とWHOから評価を受ける保健医療システムを育て上げ1),平均寿命がトップであることに,いかんなく表されている.
しかし,今日われわれが直面している新しい世紀の様々な健康テーマを克服していくためには,今後なおいっそうの積極果敢な取り組みが必要である.今回の科学院の発足は,今日までの素晴らしい歴史を踏まえつつも,さらなる飛躍を目指す絶好の機会であり,科学院の発足までを振り返るとともに,今後の活動への期待を述べたい.
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