連載 公衆衛生院からの発信・13
特別課程ヘルスプロモーションコース
石井 敏弘
1
1国立公衆衛生院公衆衛生行政学部
pp.142-143
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902457
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コースの趣旨および特徴
ヘルスプロモーションとは,世界保健機関によりオタワ憲章において定義された「人々が自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセス」である.21世紀において日本に住む一人ひとりの健康を実現するための国民健康づくり運動として平成12年度に開始された「健康日本21」においても,ヘルスプロモーションは重要な礎となっている.
先進国を中心に新しい公衆衛生として注目されるヘルスプロモーションを推進するため平成11年度に新設された本コースは,わが国の地方公共団体職員が主要な受講者であること,地域保健法や地方分権一括法の施行など分権時代の到来したことを踏まえて,ヘルスプロモーションに視座を置いた地方公共団体における健康政策の開発が主要課題である.すなわち「健康づくりに係るニーズを生活者の観点から政策化・施策化する」,「政策形成,環境づくりから対人サービスまで包括的に問題解決の方策を講ずる」ための能力養成を図るところに,本コースの特徴がある.「何をするか(どんな事業を実施するか)」を行政側が決定し,その事業への住民参加を目指した従来の「見かけの住民主体」とは一線を画する.
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