連載 「健康日本21」と自治体・10
アルコール・2
白倉 克之
1
1国立療養所久里浜病院
pp.55-59
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902436
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健康日本21におけるアルコール—基本方針と基本戦略
2000年2月を目処にまとめられた「健康日本21」10)の策定にあたっては,欧米での新公衆衛生運動の機運の高まりに連動する形で検討された.従来の単なる疾病予防という視点に較べて積極的な健康増進という立場が重視され,当初は住民参加型の個々の生活習慣の改善に重点が置かれる傾向がみられた.しかしながら個々の予防的努力には限界が示され,1980年代後半になると社会的環境の整備や資源開発などを含めた総括的な計画・導入の重要性が強調される風潮が盛んになり,これを反映した形で米国のHealthy People 2000や英国のThe Health of the Nationなどの各国の健康増進施策が計画・導入され,現在に至っている11).
このような風潮を背景に「健康日本21」も検討され,いずれもevidence-based medicineを踏まえた達成可能な具体的な数値目標を掲げての策定が前提となっており,実施後の検証を経て再評価・再検討するという手法を導入する運びになっている.
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