シンポジウム 第17期日本学術会議環境保健学研連主催公開シンポジウム
都市医学のストラテジー・4
環境保健サーベイランスの現状と将来
小野 雅司
1
1国立環境研究所
pp.916-920
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902425
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本誌9月号(64巻9号)に,角田文男氏がシンポジウム「都市医学のストラテジー」の趣旨説明の中で,世界的規模で進行する急速な都市化に伴う様々な問題を列挙しており,その一つに環境汚染が挙げられている.世界中の大都市が抱える問題の中で,発展途上国の大都市で深刻化する貧困問題とともに環境汚染は最重要課題の一つであることは否定できない事実である.中でも大気汚染は,発展途上国,先進国を問わず深刻な問題であり,その影響の及ぶ範囲・大きさは計りしれないものがる.
ひるがえって,わが国の大気汚染の現状を総括すると,産業公害型の大気汚染からは脱却したものの,替わって登場した生活密着型大気汚染は依然として大きな問題である.特に大都市部では,増え続ける自動車から排出される汚染物質(ガス,粒子)による汚染が深刻な問題となっている.
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