特集 大学の公衆衛生教育
医療から見た大学の公衆衛生教育
瀬戸山 元一
1,2
1高地県・高知市病院組合
2前島根県立中央病院
pp.481-485
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902328
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今日,「健康とは?」,「医療とは?」,「よい医師とは?」,「よい看護婦とは?」,「よい病院とは?」などと医療一般について,より具体的なことが問われている.この原因を考えるとき,表面的には社会や経済の変化が健康や病気についての認識を大きく変化させ,国民の自意識の向上をあげることができる.しかし,本音のところは医療の現場において,医療の心が不足あるいは欠如していることへの批判からではないだろうか.そして,その根元となっている医学教育の不備が問い直されなければならないと突き詰められているものと思われる.
さて「母乳と人工乳栄養とによる発育の差異」や「精神障害児の生活実態調査」など,独自に取り組んだ公衆衛生実習についてのわずかな記憶だけにとどまり,衛生学と公衆衛生学との明確な区別ができないままに過ごした医学生当時を反省しつつ,公衆衛生教育について臨床現場からの私見を論じてみたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.