連載 自治体の保健福祉活動における理学療法士の役割・22
自治体における理学療法士の役割と展望
山本 和儀
1
1医療法人若弘会大東地域リハビリテーション研究所
pp.62-64
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902230
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
21世紀という本格的な超高齢社会を目前に控え,保健・医療・福祉の各種施策は急激に変化しようとしている.その代表的なものが,平成12年4月に導入される介護保険制度である.本制度は社会保障構造改革の第一歩とも位置づけられ,今後は医療や年金などの諸制度も抜本的な改正がなされるものと推察される.これらは,わが国の社会保障制度の新たな枠組みを構築するものであり,国家的な取り組みということができる.
一方,地方分権化の推進によって,住民に最も身近な行政機関である市町村の役割や責務も大きくなることが予想される.すなわち,今後は地域特性を生かした特色ある自治体行政が求められてくることになるわけである.このような状況のなか,自治体に勤務する理学療法士の役割も今後ますます重要になるものと考えられるが,現時点において理学療法士などの職種を雇用している自治体は依然少ない状況にある.しかしながら,老人保健福祉計画や介護保険事業計画の推進,あるいは現在雇用されている理学療法士などの活動いかんによって,今後はより多くの自治体で理学療法士などの職種が雇用されるものと思われる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.