海外事情
ニューヨーク州の保健行政・2—ニューヨーク州の成人病予防活動
ホスラー 晃子
1,2
Akiko S. Hosler
1,2
1ニューヨーク州保健省慢性病疫学課
2ニューヨーク州立大学公衆衛生大学院
pp.900-903
発行日 1999年12月15日
Published Date 1999/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902209
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現在のニューヨーク州の保健省(New York State Department of Health)では,医療インフラの管理(医療機関や医師の認可と監督),医療アクセスの確保(各種健康保健事業),情報収集(人口動態統計や法定病の登録バンクなど)といった中央官庁的な業務の他に,住民の健康の向上を目的とした公衆衛生の活動も幅広く行っている.ニューヨーク州では公衆衛生法の規定により,住民に対する直接のサービスは郡(カウンティ)の衛生局の管轄となっている.したがって保健省の公衆衛生活動は州民全体,あるいは最も公的補助を必要とするグループ(低所得者,老人,母子,マイノリティなど)を対象にした,包括的なプログラムの企画とサポートに重点を置いている.
現在保健省の公衆衛生部門は,州立試験所,環境衛生局,コミュニティ保健局,それにエイズ局という四つの組織に分けられている.その中で予防健康医学に基づいた総合的な住民保健の活動を行っているのがコミュニティ保健局である.ここでは伝染病疫学,母子と青少年保健,栄養保健,成人保健の四つの部があるが,今回はその中で筆者が所属する成人保健部の,成人病予防活動を掘り下げて紹介する.
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