連載 全国の事例や活動に学ぶ
今月の事例 香川県丸亀保健所
健康診査に関する調査を実施して—保健所による市町村支援の1例
福永 一郎
1
,
今西 雅彦
2
1香川県坂出保健所
2静岡県西部健康福祉センター
pp.824-826
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901991
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香川県は従来より結核罹患率の高い地域である.丸亀保健所管内のある自治体(人口約8万人)は,結核検診や,老人保健法の各健診受診率があまり高い地域ではなく,主に結核対策の面で健診受診率向上が課題であった.この自治体でも従来より受診を促すいくつかの工夫が行われてきたが,これまでの経験からは,必ずしも単なる受診勧奨や受診機会の確保で受診率が向上するものではなく,「健診未受診者が受診行動を起こすためには何が必要であり,そのためのアプローチは何が必要か」といった受診行動に関する課題を見いだしてゆく必要性が示唆されていた.また,健康教育については多くの工夫が行われ,県下でも屈指の実施状況を誇っている地域でもあるため,この実績を有効活用した健診とのリンクなども課題であった.筆者は自治体所属担当保健婦らから相談を受け,この課題に関する話し合いや基礎分析を行ってきたが,その結果,健康診査受診に対する実態や,健康診査に関する意識を調査することが望まれていた.しかし,予算・人員などの面で,自治体での単独調査には難しい面があった.
平成7年度に,県の結核対策特別促進事業による指定を受け,その中で健康診査に関する調査を行える予算が確保されたため,これらの課題を解決するために,保健所が実施主体となり,自治体の協力と参加を得て健康診査に関するアンケート調査を行った.
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