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今月の事例 香川県丸亀保健所
市町村のための保健所医師活動とはいかにあるべきか—保健所による市町村支援機能の充実のために
福永 一郎
1
,
石山 明
2
1香川県坂出保健所
2秋田県能代保健所
pp.596-597
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901942
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地域保健法によって,老人保健,母子保健などの1次保健サービスは市町村機能とされ,これに関して保健所は調査研究,企画調整,情報機能などにより支援を果たすことが期待されている.この中で保健所長に期待される役割については従来より多く論じられてるが,「2人目の医師」の果たすべき役割については,健診やクリニックなどの診療以外には実務においてもあまり明瞭に位置づけられたものではなく,文献的にも語られていなかった.しかし,地域の人的資源として,「2人目の医師」も行政医として市町村支援に果たすべき役割をはっきりと明確化し,その具体的な実践を行うことが必要であると感じていた.平成8年度保健所医師調査研究事業を利用して,香川県丸亀・琴平両保健所が合同で保健所医師機能の検討を試みたので,今回その過程を紹介したい.
検討は,まず2保健所の保健所医師,保健所長が集い「地域住民に役に立つ保健所医師のあるべき姿を描く」を目的に,その実現手段として「市町村に存在しない行政職種としての医師の役割」をとらえ,企画調整,調査研究,情報機能などを一つ一つ検討し,その中での医師の役割を明らかにするところから始めた.次に,過去の管内老人保健事業を題材として,1)現状,2)保健所医師の支援状況,3)現状の課題に対して,保健所医師の役割は何か,を検討し,表に示すように支援役割を整理した.
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