海外事情
マレーシア国大クチン地区末端部の保健医療—農村保健所Klinik Desaを中心として
安達 國雄
1
1啓愛会美山病院
pp.603-606
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901944
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筆者は1991年来インドネシア,ネパールの地域末端における保健と医療の状態を調べている.1995年冬,開発途上国の中で経済的に高成長を遂げているマレーシア国サラワク州(ボルネオ島)大クチン地区(クチン市Kuching,ルンドゥ地域Lundu,バウ地域Bau,図1参照)を訪ね,地域末端部での保健医療の現状を調べた.保健医療の重要な指標である乳児死亡率は,マレーシア国では1992年14.0(出生1,000人当たり),サラワク州では9.8で開発途上国中で上位にある.
州の保健医療行政は図2に見るような管理運営段階がある.農村保健所と呼ばれているKlinik Desa(英訳,rural clinic)は3種類がある.すなわち,1)一般診療と保健衛生の場,2)母と子の診療と保健衛生の場,3)救急のみを扱う場(今回省略)である.診療所(dispensary)と小規模診療所(subdispensary)は大クチン地区にはない.
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