報告
HIV抗体検査における非特異反応について
篠原 美千代
1
,
内田 和江
1
,
島田 慎一
1
,
大塚 孝康
2
1埼玉県衛生研究所
2埼玉県中央食肉衛生検査センター
pp.50-54
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901630
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埼玉県では1987年から衛生研究所においてHIV-1の抗体検査を開始し,その後検体数の増加に対応して1993年4月から衛生研究所以外に2つの保健所試験検査室でも検査を実施してきた.スクリーニング検査として当初は酵素免疫測定法を用いていたが1992年8月からゼラチン粒子凝集法に変え,また,1993年8月からHIV-2についても検査を開始した.確認検査も国立予防衛生研究所に依頼していたものが衛生研究所において蛍光抗体法を実施できるようになり,さらにウエスタンブロット法へと移行してきた.こういった状況の中で,判定保留となる検体が多数出現し,これにどう対応していくかがひとつの課題となった.また,これとは別に,感染初期の抗体産生以前の検体や感染妊婦からの出生児の感染確認に対応するための技術の確立も課題となっていた.
そこで今回は,これまでの検査のなかで経験した非特異反応(ゼラチン粒子凝集法陽性)についてまとめるとともに,感染の早期診断のための技術の確立を目的として,遺伝子検出の1方法としてのPolymerase chain reaction(PCR)法を現在実施している抗体検査の延長線上に導入することを試みたので,併せて報告する.
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