特集 小児期の成人病
新しい地域保健体制における小児期からの健康的なライフスタイルの確立について
福渡 靖
1
,
西田 美佐
1
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室
pp.869-873
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901608
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成人病様変化が低年齢層に広がりつつあることが懸念され始めてから既に相当期間が経過している.わが国の小児,幼児・学童における健康指標をみると,学童期の肥満傾向の子どもの増加がみられている.最近10年間の学校保健統計調査によると,1983年には,肥満傾向の子どもの割合は,幼稚園0.4%,小学校で1.7%,中学校で1.2%,高等学校で0.8%であったのが,1993年には,幼稚園0.7%,小学校2.6%,中学校1.7%,高等学校1.6%と,それぞれ増加していることが明らかである1).小児期からの成人病様変化,あるいは成人してからの成人病の発症と関係する因子として,小児期の肥満が指摘されている2).
今回は,小児期のライフスタイルと肥満の状況をまとめ,肥満の発症防止の方策を新しい地域保健体制の中でどのように論じることができるのかを考察することとした.
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