活動レポート 長崎県琴海町の保健福祉計画の策定とケアマネジメントの展開・2
老人保健福祉計画の策定のノウハウ
森 俊介
1
1国民健康保険琴海町立病院
pp.501-503
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901519
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平成2年,各自治体は,厚生省から「市町村老人保健福祉計画」なるものの策定と提出を,期限付で,しかも何の「ひながた」も示されず,義務づけられた.今までに前例のなかったことなので,ほかの自治体同様,われわれの琴海町でも,大きな戸惑いをもって受け止められた.実際,役場の担当課においては,どのような計画をどのようにして作ればよいのか全く理解できなかったというのが正直な話であったと思われる.
私事で大変恐縮であるが,筆者は大学卒業後,公衆衛生学教室に入局し,母子保健,環境問題,などの仕事をさせていただきながら,地域のヘルスプランニングに興味をもち,市町村の保健婦さんたちとともにそれぞれの地域の保健計画を立てて勉強会をしていた.その延長で,昭和58年長崎県の離島である対馬のいずはら病院に保健活動部を作っていただき,臨床をやりながら,海洋型大離島(対馬)での老人問題に焦点を当てヘルスプランを実行するための医療,保健,福祉の連携のあり方を模索し始めた.その後,昭和う2年に琴海町立病院に赴任してからは,自分なりの琴海町保健医療10年計画を立て,対馬での経験を生かし,老人問題に対して町立病院(医療)を中心とした保健,福祉の連携のあり方を考えていた時期であった.そのような時に,各市町村に「老人保健福祉計画の策定」が義務づけられたのであるから,やっと筆者の考えていたとおりの時代になったとひそかに喜んだものである.
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