特集 老人保健福祉計画の推進
かかりつけ医の将来と計画の推進
糸氏 英吉
1
1日本医師会
pp.99-101
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900971
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◆医療法改正と在宅医療
世界でもトップレベルの豊かさを達成したわが国において,在宅ケアに対する意識も大きく変化してきている.医療の分野,福祉の分野においてもそのニーズと対応は大きく様変わりしてきている.
昨年の医療法改正はある意味で画期的なものであった.それは医療の概念を従来の治療のみに限らず,予防・リハビリテーションにまで拡大したこと,一方,医療を提供する施設として,患者の居宅も認めたことで,ここに在宅医療が法的にもはっきり位置づけられ,患者の権利として保障されたと言ってよいであろう.これからの高齢者は,人間としてその出生からその最後まで,自由を求め,プライバシーを尊重し,貴重な個人の人間関係を病気や生理的不都合によって放棄することは余程のことがない限り認めないようになってくるものと考えられる.
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