特集 老人保健福祉計画の推進
計画の推進と地域保健の展望
磯 博康
1
,
嶋本 喬
1
,
山海 知子
1
,
今野 弘規
1
1筑波大学社会医学系
pp.92-95
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900969
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◆はじめに
老人保健福祉計画の推進にあたり,保健,医療,福祉の連携が唱えられている.その際,高齢化社会への対応として医療のみでは解決しえない問題を福祉に頼ろうとするあまり,福祉のみが過大に強調される傾向が見受けられる.しかし,保健と福祉は車の両輪であるという原点を見失うことのないよう,保健の充実も念頭において,老人保健福祉計画の策定を進めるべきである.
本稿では,地域における脳卒中対策を例にとり,脳卒中自体の予防(1次・2次予防対策)が,脳卒中による寝たきりの数を減らし,病院や地域における脳卒中患者のリハビリ等のケア(3次予防対策)や福祉の負担減につながり,結果的に,効率的で充実した福祉を行い得ることを実際のデータを示しながら論じる.そして,保健事業を進める上での現在の問題点と,今後の展望について述べたい.
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