活動レポート
「断酒の家」から街づくり—三重県からの報告
猪野 亜朗
1
Aro INO
1
1三重県立高茶屋病院
pp.580-583
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900867
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●はじめに
「断酒の家」は施設ではない.街並みにつながる“家”である.この家には,現在11名の単身アルコール依存症者が暮らしている.彼らは断酒している限り,望むだけ入居できる.彼らのウチなのだ.
土曜日には,三重県全域から断酒会員が2階の例会場に集い,階下では県立高茶屋病院から“町医者と看護婦”がやって来て,診療所が開かれにぎわう.断酒の家は,断酒の最も困難と言われた単身者の“家”であり,会員や応援スタッフの“家”ともなる.こんな断酒の家に,1990年4月「アルコール問題を考える三重ネットワークの会」が誕生し,精力的活動が始まっている.三重の街並みの飲酒文化を変えようというのである.しかし,こんな断酒の家にも,波瀾万丈の過去があった.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.