発言あり
甲子園
大和田 潔
1
,
北岡 修
2
,
西村 いづみ
3
1(財)健康・体力づくり事業財団
2兵庫県西宮保健所
3東京都八王子保健所西保健相談所
pp.521-523
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900853
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「純粋こそ,高校野球の力」
甲子園の高校野球はいまや国民的行事になってきた感がある.飛びかう白球,わき上がる歓声,そして勝者も敗者も等しく感激を胸にして故郷へ帰っていく.80年近い伝統を持つこの若人のイベントを,これからも大切に育てていくのがわれわれの務めというもの.そしてそのためにこそ,高校野球に,まじりけのない純粋さをいつまでも守っていってほしいと念願するのは大勢のファンたちの気持ちだろう.
それにしても最近の高校野球のあり方には,ちょっと首をひねるものがある.甲子園はスターの祭典か,プロ野球の予備校かなどとささやかれているのは,果たしていわれのないことなのだろうか.選手たちのフィーバーぶりはまだしも,私立高校の経営者の中には,野球の名門校になって有名になろうとする人たちもいるようだし,父母たちにしても,その過熱ぶりはただごとではないようだ.勝ちたい一心の学校側があの手この手で監督をスカウトするとなれば,監督の身辺でもとかくのうわさをきかれる人も出てこようというものだ.もちろん,大部分の監督はこんなうわさとは一切無関係だろう.しかし,純粋であるべき高校野球の世界だけに,一部でもそんなうわさがあればやはり気になってしまう.
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