特集 精神分裂病の家族研究
シンポジウム「精神分裂病の家族研究」に対する指定討論および一般質疑
講演2に対する指定討論
北岡 修
1
1神戸大神経科
pp.298-299
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200989
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私どもの教室でも,とくに小児分裂病の家族研究を行なつておりますが,研究にあたつては家族メンバー個々の性格特長だけでなく,さらに家族内対人関係の基本的力動をもとにして,family as a whole家族全体の力動性を明らかにすることをこころみております。その意味では,先生が臨床的経験をもとに患者—家族—治療者間の相互関係を具体的に把握されたことに,まつたく賛同するものであります。したがいまして,反論というよりは,むしろもう少しくわしくご教示願いたい点がございますので,われわれの症例を追加しつつおうかがい致したいと思います。
先生は,分裂病者の家族状況を三類型に分けられましたが,I型の画一型を聞いておりますと,われわれが「小児分裂病の家族研究の一側面」(児並精神医学とその近接領域,vol. 5,No. 2)の論文のなかで扱いましたKanner typeの小児自閉症の家族構造と大変似かよつているように感じました。
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