SCOPE
打ちます注射を守ります健康を—春の選抜高校野球で頑張る甲子園救護室の看護婦さん
本誌
pp.644-645
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922307
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殺風景な一室.3人のナースとドクターが,テレビを見ている.12畳程の部屋の奥半分は畳敷きで,腰掛ける程の段差があり,2組の床が延べられている.手前の机の上には棚に見立てたダンボールがあり,中の小引き出しには飲み薬や注射のアンプルが入っている.部屋の隅には洗面器が1つ.ここが彼らの休憩所ではなくて仕事場であることを示すものは,これがすべてである.
テレビの画面には,緊張した面持ちで整列している球児が映し出される.たった今,選抜高校野球の開会式が甲子園で始まったのだ.選手宣誓,諸旗掲揚,優勝旗返還….式はつつがなく進んでいく.
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