新しい保健活動の視点
走りながら考えよう—輪島保健所の喫煙教育
川島 ひろ子
1
Hiroko KAWASHIMA
1
1石川県輪島保健所
pp.205-208
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900769
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◇はじめに
ちょうど今から4年前,臨床から保健所へとトラバーユした.小児科を専門にしていたので母子保健にはそれほど抵抗を感じなかったが,その他の業務はほとんど初めてのことばかりで,ビックリした.学生時代に公衆衛生の講義を受けたはずだが,すべて忘れ去っており,頭の中は空っぽであった.そこで書店に行き,何冊かの本を買いこんで読んでみた.そこには公衆衛生とは何か,あるべき姿,方法論等が書かれていたが,本を何十冊読んだところで現場を経験しなければ何一つ身につくはずがないという結論に達した.これまで,一応小児科医として20年近くやってきたのだから,専門的な難しい知識がなくても常識があれば何とかなるだろうと,開き直ることにした.
あれからすでに4年がたった,「石の上にも3年」と言うが,本当に3年が過ぎたあたりから,保健所のことが何となく分かってきたような気がする.この間おたおたしながら,いろいろなことを経験してみた.何かをするたびに,それがたとえうまくいかなくても,“なるほど”と思うことが一つ二つ必ずあった.全く子供と同じで,毎日毎日新しいことを経験しながら,少しずつ何かが身についてきたような気がする.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.