特集 結核対策の最近の動向
非定型抗酸菌症の現状
坂谷 光則
1
Mitsunori SAKATANI
1
1国立療養所近畿中央病院第二内科
pp.172-175
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900760
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◆はじめに
非定型抗酸菌(atypical mycobacteria)とは結核菌群(M. tuberculosis complex)以外の抗酸菌を一括した呼称であり,これらの菌による感染症を本邦では非定型抗酸菌症(atypical mycobacterial diseases:AM症)と呼び習わしている1,3).しかし,atypicalという形容は不適当であるとして,欧米ではnontuberculous mycobacterial diseases(NTM症)あるいは,diseases due to mycobacteria other than M. tuberculosis(MOTT症)と呼ばれることも多い2,4-8)のであるが,未だ適当な日本語訳がない.各症例での菌種が判明していれば,各菌種ごとにM. avium症あるいはM. kansasii症などと命名(診断)するのが最も正確であろう.
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