特集 老人保健福祉計画策定のノウハウ
英国のコミュニティ・ケア計画とニーズ調査
中西 範幸
1
Noriyuki NAKANISHI
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.117-123
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900746
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◆はじめに
英国におけるコミュニティ・ケアの将来構想は,1987年から1989年にかけて発表された政府白書『健康増進に向けて』,『国民の介護』,および『患者につくす』の中で提言され1,2,3),これに応えるものとして高齢者ケアの具体的な展開が1989年の一般医の契約の中で示された4).白書『国民の介護』の中では「地方自治体は医学,看護,および他の関係する団体との協同を図りながら利用可能な資源の中で個々のニーズの評価,ケア計画の立案,およびサービスの供給を保障する責任を有する」と述べられており,コミュニティ・ケアでの自治体の責任の強化が明確にされた.また一般医の契約では,一般医は75歳以上の全登録患者の毎年の診査を行う中で,神経・運動系機能,精神・身体状態,社会・家庭環境および受療状況の把握が求められ,1990年4月から実施されている.
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