特集 新しい地域活動の展開を求めて—コミュニティ・ワーク
コミュニティ・ワークのための社会調査
似田貝 香門
1
Kamon NITAGAI
1
1東京学芸大学教育学部
pp.441-445
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207290
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■はじめに
かつて筆者は住民運動の調査後の覚書として「社会調査の曲り角」1)という表現を使ったことがある。地域社会の中で生活している住民が否応なく自ら関わってしまった出来事の中で,問題を解決していくために自立し,多くの新しい活動を生みだしてきた.そのなかで,社会調査とはいかなる役割を果たすのか,ということがテーマであった.
このテーマは住民運動が盛んだった70年代にさまざまな領域で広がり,いろいろな課題が提起された.テーマの中心は,イッシュウをめぐる研究者,専門家,プランナー,知識人等なんらかの専門的技能や知識を有する人々と,当事者(地域住民,被害者,患者)の関係のあり方を問う問題であった.しかし,80年代になるとこの種の議論は急速に下火になっていった.
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