特集 老人保健福祉計画策定のノウハウ
遠野市の実態調査と計画策定の取り組み
小原 正巳
1
Masami OBARA
1
1遠野市役所
pp.107-110
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900743
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◆はじめに
遠野市では,昭和60年から県立遠野病院をはじめ,市の医師会等の関係者のご協力により寝たきり老人訪問診療を実施し,これがきっかけとなって「保健」,「医療」,「福祉」の連携事業が行われて来た.この間,昭和63年には,国のモデル事業である「訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業」を実施し,これを機に,保健衛生課と福祉事務所の間に「老人在宅ケア推進室」を設置し,機構の上でも連携がスムーズに行われるようにした.
遠野市での成功のカギは何といっても高齢者サービス調整チームの機能化にあり,1カ月2回定例化され,市内にあるサービス提供機関のサービス調整を一本化している.
こういった事業が進むにつれて議会でも福祉に関する議論が多くなり,関心が高まっていることが感じられるようになった.
市としても福祉に関する長期計画の必要性を検討して,市民の意識調査や要介護老人の実態調査を行った.その機が熟した頃とあいまって,国から「老人保健福祉計画」の考え方が示された.そこで遠野市としては平成3年度と4年度の2力年で取り組むことにした.
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