トピックス
C型肝炎の疫学と予防
吉澤 浩司
1
,
田中 純子
1
,
長神 英聖
2
,
水井 正明
2
Hiroshi YOSHIZAWA
1
,
Junko TANAKA
1
,
Hideki NAGAKAMI
2
,
Masaaki MIZUI
2
1広島大学医学部衛生学教室
2広島県赤十字血液センター
pp.846-850
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900702
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●はじめに
わが国では1989年11月より,輸血後非A非B型肝炎の予防を目指したC100-3抗体測定による供血者血液のスクリーニングが日赤血液センターによって導入された.
このことは,わが国の輸血後肝炎の発生率を大幅に減少させる1)とともに,その後のC型肝炎の研究を推進する原動力となるという大きな副次的効果をももたらした.
1992年2月からは,その後の研究の成果をふまえて,いわゆる第2世代のHCV関連マーカーの測定系(HCVPHA法)2)が供血者血液のスクリーニングのために新しく採用され,輸血後肝炎の発生率はさらに減少することが期待されるとともに,C型肝炎の疫学についても,その全体像をより鮮明な形でとらえることが可能になりつつある.
本稿では与えられた主題に従って,これまでに明らかになった事項について述べてみたい.
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