データにみる健康戦略 21世紀への健康戦略—データにみるその目標・5
感染症の変遷
倉科 周介
1
Shiusuke KURASHINA
1
1東京都立衛生研究所
pp.782-785
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900687
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不潔は病原体の容器であり,感染症の温床である.そして生物としての人間とその集団はひとつ間違えば不潔の源泉になる.個人にせよ,社会にせよ,生活や運営の基盤が整備された状態では,毎日のちょっとした手入れを続けるだけで,清潔で安定した活動が維持できる.だがいったん生活や社会のたがが外れれば,たちまち混乱と不潔が白昼堂々と横行する.そして病原体の存在するところ,不潔と感染の間には一歩の距離を余すのみである.だから,感染症の多寡は社会の清潔さの物差しだといってもよかろう.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.