特集 性感染症(Sexually Transmitted Diseases)
性意識の変貌と性感染症
熊本 悦明
1
,
西村 昌宏
1
,
岩沢 晶彦
1
,
林 謙治
1
,
広瀬 崇興
1
Yoshiaki KUMAMOTO
1
,
Masahiro NISHIMURA
1
,
Akihiko IWASAWA
1
,
Kenji HAYASHI
1
,
Takaoki HIROSE
1
1札幌医科大学泌尿器科
pp.596-601
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900639
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔はじめに〕
最近までは,麻薬患者やHomosexualの人々といったごく限られた人の疾患と考えられていたAIDSが,次第に異性間感染による場合が主流となりつつあり,性感染症としての性格を強めている現在,もはや対岸の火事として遠くから眺めている場合ではない.しかし本邦においては未だ身近な問題として認識し,危機感を持っている人は少ないように考えられる.今や,本邦における各種性感染症の流行は欧米先進諸国並みであり,その感染ルートに乗って無自覚のままにAIDSが広がって行く可能性を考えると,近い将来に大問題となることは,まさに火を見るよりも明らかである.
そのような観点から,本邦における性感染症流行の現状を的確にとらえ,人々の意識改革を含めた適切な予防措置をとることが急務であると考える.そこで本邦における性感染症の現状を解説し,少しでも多くの人々に,性感染症に対する危機感を喚起せしめる一助となることを願うものである.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.